家づくりは人生の一大イベントですから、はじめての家づくりを考えはじめると、「本当に住み心地のよい家とはどのようなものか」家を建てる上でどんなことを考えるべきか、不安もいっぱいですよね。
間取りやデザイン、それに立地条件などが挙げられるかもしれません。
どれも大切な要素ですが、「本当に住み心地のよい家」をつくるために知っておきたいのは家の「断熱性・気密性」について、そして忘れてはいけないのが「換気・冷暖房」です。寒い冬も暑い夏も一年を通して心地よい居住空間にするため、優れた断熱性と気密性で外気温の影響を受けにくくし、一定の室内温度・湿度を保ち、冷暖房費の節約にも貢献する。家を購入された後も暮らしにゆとりと豊かさを得ることができる、こんな魔法のような家こそが「FB工法」です。
今回は、高断熱高気密住宅のパイオニアであるホクシンハウスが、いかにして特許取得「FB工法」を誕生させたのか後編をお話しします。
ある日、お施主様から「冬、結露して困る」という苦情が寄せられました。急いで調べてみると、天井や床の構造の入りくんだ場所で断熱材が重みでずれてしまい、 隙間の空いていることが判明。冷たい外気が内壁に直接伝わり、結露を引き起こしていたのでした。
「満足していただける家づくり」を目指す会社にとって、結露問題は早急に解決しなければならない大きな課題。この一件がきっかけで、ホクシンハウスは本当に快適な家づくりに向け、本格的に研究・開発に取り組み始めることとなります。
相澤社長は自宅の敷地に内断熱、外断熱、FB工法の3種類の実験棟(約2畳)を建て、同じ条件の下で性能実験を行うことにしました。マイナス20℃近くまで冷える外気の中で、それぞれの棟を同じ温度の空気で満たし、温度・気密・換気の変化を調べてデータを記録したのです。
研究の結果、最も優れた値を示したのはFB工法でした。同時にFB工法は、施工が容易でコストがかからないこともわかりました。
これらのデータに裏付けられて、ホクシンハウスはFB工法での家づくりを本格的に開始しました。
それだけでなく、施工先のお宅で実際にデータを取らせてもらい、改良点を探りながら、さらなる研究と改善を繰り返し、現在のFB工法を確立していきました。しかし相澤社長は決してそこで満足することなく、研究・開発の歩みを止めませんでした。
当時のFB工法では、暖房の熱源を居間に設置していたため、室内に対流が起きてしまうことや、各部屋のドアを開放する必要上、音やプライバシー面で悩ましい課題がまだ残されていたのです。
そんな中、平成3年に期せずして地下室を希望されたT邸で、地下室にFFストーブを設置することになりました。地下のストーブの暖気を床下、壁の中、天井裏に自然循環させて、輻射熱によって家全体を暖めるシステムに取り組んだのです。
同時に熱交換型換気システムを導入し、室内はもちろん家全体を深呼吸させる換気システムの確立にチャレンジしました。
結果は大成功、このシステムによって対流や音の問題はすべて解決されました。この成功が大きなきっかけとなり、ホクシンハウスのFB工法はその後、広く世間へと認知されていくこととなるのです。
FB工法誕生後、基礎断熱された床下空間で暖房し、暖められた新鮮空気が壁体内を循環、室内の換気を行なうと共に、床・壁・天井を均一に暖めて、家中を快適な環境にする唯一無二の工法としてグッドデザイン賞受賞、そして特許取得。今では4,000 棟以上の住宅を手掛けてきました。
平成20年より地球環境や経済を見据え、暖かさとこだわりを極めた注文住宅「ホクシンハウス」に加え、建物の建築費と快適に暮らす為の冷暖房費や給湯費 といった「家の燃費」を最初から明示する規格住宅「グリーンシードハウス」を販売開始(現在名称グリーンシードセレクト)しています。
ライフスタイルと趣味嗜好に合わせて自由に選べる魅力的なデザインを豊富にラインナップし、毎月の冷暖房費がいくらかかり、トータルでどれだけおトクかが数字で見えるので、より賢く安心して家づくりができます。
家は建ててからが本番。何十年と住み続ける家だからこそ「ライフサイクルコスト」の視点が重要です。
ライフサイクルコストとは、建物価格(イニシャルコスト)、冷暖房費(ランニングコスト)、修繕費(メンテナンスコスト)、病気の治療費(メディカルコスト)の合計金額。たとえ建物が安くても、それ以外の費用がかさめば、将来ライフプランを見直すことにもなりかねません。
いつでもどこでも快適な住環境を創造し健康長寿社会を実現する、技術・社会・人を結び共に成長する、それが寒さの厳しい長野で快適な暮らしを提供するハウスメーカーホクシンハウスの使命です。