厳しい暑さが続く8月上旬、長野県内で新築建築中のK様邸の上棟が行われました。K様邸の地鎮祭の様子はこちらよりご覧いただけます。
上棟の日の朝は、お清めから始まります。
この日は都合により、施主のK様ご夫妻にはお越しいただけませんでしたが、お施主様がいらっしゃる場合は建物の四隅に塩・酒・米を撒く「四方お清め」を行っていただきます。
今回は代わりにスタッフがお清めを行い、工事の安全を祈願しました。
家の規模やタイミングにもよりますが、上棟の日は10人前後で作業が進められます。この日は11人の職人さんに集まっていただきました。
作業前に棟梁からあいさつ。お手伝いしていただく職人さん達は棟梁が声をかけて集まります。その職人さん達は皆どこかの現場の棟梁です。上棟の日は一日各自の現場の手を止めることになるので、棟梁や現場監督、担当営業などの社員から労いの言葉をかけさせていただき、士気を高めます。
レッカー車も到着し、朝8時より作業開始です。
まずは1階の組み立て作業から。3メートル近い柱を肩に乗せて運ぶ職人さん達。長年の経験が、長さだけでなく重さもある柱を軽々と持っているように見せます。
柱や梁に使われる木材は、事前に工場でプレカット(原材料を切断・接合部分の加工)された状態で搬入されます。
全ての木材に印字されている「いろはにほへと...」「123456...」「1F 2F 3F」これを番付けと言います。
職人さん達はこの並びが頭に入っているので、迷うことなく決められた位置に木材を運び、柱を立てることができるのです。
1階の柱を立て終ると、次は梁を組んでいきます。人力で持ち上げることができない場所へは、レッカー車が木材を吊し上げて運びます。
この時、クレーン車の操縦士との連携が非常に重要になってきます。職人さんの手による合図で操縦士が微調整をしながら木材を的確な位置へ届けます。
さらに火打ち梁が入り、不安定だった梁が頑丈になっていきます。
火打ち梁とは、台風や地震などによって真四角に組まれた梁が水平方向に変形するのを防ぐために設けられる、斜めに組まれる木材のことです。家の強度を上げるためには欠かせません。
1階の作業があっという間に終わり、2階の骨組み作業に入ります。
炎天下の中での作業が続きます。水分を十分に補給しながら、途中休憩を挟みつつ2階も1階と同じ要領で床板、柱、梁を組み立てていきます。
少しの隙間もできないよう、床板のつなぎ目部分に気密テープを貼り付け、シーリングを施工します。気密性を高める為に重要な工程です。
次に、屋根の骨組みを作っていく「小屋組み」の作業です。
屋根裏の床板から垂直に「小屋束」を立て、小屋束の上に「母屋」という梁を乗せます。母屋のうち、一番高いところにある柱を「棟木」と言います。この棟木を上げることを上棟と呼びます。
「垂木」を取り付けると、屋根の形がよくわかるようになってきました。
屋根の組み立て作業の最終工程、野地板を張ります。
雨が入り込まないようにブルーシートで養生をします。屋根の板金工事は後日になります。
最後は壁の断熱材の施工です。現場で職人さんが寸法通りにカットした断熱材をはめていきます。
床材の施工時と同じ様に少しの隙間もできないよう、断熱材と柱の境目に気密テープを貼り付けます。
家の耐震性を高めるために構造用面材を施工します。職人さんが現場で加工して取り付けていきます。
地震や台風に耐えるためにとても頑丈なつくりになっているのでとても硬く重いため、断熱材のように一人では施工できません。構造用面材を下で支える人、上で支える人の2〜3人体制できちんと釘を打って固定します。
最後に、高性能断熱材「ネオマフォーム」を施工し作業は終了です。
無事、日が落ちる前に作業を終了することができました。具合が悪くなりそうな程の酷暑の中、声を掛け合って連携をとりながら作業を進める職人さん達の笑顔がとても印象的な一日でした。
この後も何十もの業者さんが入り、家づくりが進められていきます。お引渡しできる日まで、安全な施工管理に努めてまいります。