ホクシンハウス「FB-6工法」進化の歩みと最新仕様

床下エアコンタイプの「FB工法」から、空調室エアコンタイプの「FB-6工法」へ
―ホクシンハウス「FB-6工法」進化の歩みと最新仕様について―
現在、ホクシンハウスの新築住宅では、床下にエアコンを置く従来の「FB工法」に代わり、2階などに設けた専用の空調室に家庭用エアコンを設置する6面輻射の全館空調システム「FB-6(エフビーシックス)工法」が全棟標準仕様として採用されています。
ホクシンハウスの独自工法は、寒冷地・長野で家全体を暖かく保つ技術から始まり、夏の厳しい暑さにも対応する冷暖房システムへと進化してきました。本記事では、その歩みと、床下エアコンタイプのFB工法から空調室エアコンタイプのFB-6工法へ移行した理由を紹介します。
【本記事での表記について】
空調室方式へ移行する前の仕様を「従来のFB工法」、現在の空調室方式を「FB-6工法」と表記します。両者は、エアコンの設置場所や送風方法、メンテナンス方法が異なる、別世代のシステムです。
1. 暖かい家を追求したFB工法の原点
(※▶から詳細をご確認頂けます。)

1978年|長野県飯綱町で創業
厳しい冬の寒さの中でも、家の中を暖かく快適に保てる住まいをつくること。それがホクシンハウスの技術開発の原点です。
1988年|独自の輻射式暖房「FB工法」を開発
床下に熱源(灯油式温水ルームヒーター)を配置し、床下・壁の中・天井裏へ暖気を循環させる仕組みを開発しました。床・壁・天井の各面を暖め、その面から伝わる輻射熱を利用して、家全体を包み込むように暖める構造です。これが、後の6面輻射冷暖房へとつながるFB工法の基礎となりました。
2008年|熱源を「床下エアコン」へ変更
原油価格の高騰や省エネルギー性を踏まえ、灯油を使う温水ルームヒーターから、家庭用エアコンを床下に設置する方式へ移行しました。床下のエアコンでつくった暖気を床下・壁の中・天井裏へ循環させ、輻射熱によって家全体を暖める「床下エアコンタイプのFB工法」へと進化しました。
2.暖房中心の技術から、
夏も涼しい全館空調へ

2015年|FB工法開発研究棟を開設
冬の暖かさだけでなく、夏の涼しさや年間を通じた快適性を高めるため、実際の建物で温熱環境を検証する研究開発を進めました。
2021年|空調室方式の「FB-6工法」が完成
床下にエアコンを設置する方式を見直し、2階などに専用の空調室を設け、その中に家庭用エアコンと送風ファンをまとめて設置する新しいシステムを開発しました。
2022年|新築住宅の標準仕様へ移行
2022年4月以降、ホクシンハウスの新築住宅では、空調室エアコンタイプの「FB-6工法」を標準仕様として採用しています。
2023年|空調室を設けた6面輻射冷暖房システムで特許取得
空調室からダクトを通じて床下や天井裏へ空気を送り、床・壁・天井の6面を利用して冷暖房するシステムとして、特許を取得しました(特許第7217554号)。
3.なぜ床下エアコンから
空調室へ移したのか
空調室への移行は、より厳しくなる夏の暑さに対応しながら、静かさ、メンテナンス性、家全体の温度の均一性をさらに高めるための改良です。

①より多くの冷気を家全体へ送るため
従来の床下エアコン方式で冷房能力を高めるには、床下の送風ファンを増やし、より多くの冷気を2階の天井裏まで送る必要がありました。しかし、床下にファンを増やすと、1階の居室へ運転音が伝わりやすくなることや、床下にファンやダクトが増えて点検しにくくなることが課題でした。
② 送風量を増やしながら、室内をより静かにするため
FB-6工法では、2階などに設けた空調室に家庭用エアコンと送風ファンを集約し、空調室を密閉性の高い防音構造とすることで、必要な送風量を確保しながら、エアコンやファンの運転音が居室へ伝わるのを抑えています。
③ 清掃・点検・交換をしやすくするため
機器を空調室にまとめたことで、床下へ入らなくても、エアコンのフィルター清掃、送風ファンの状態確認、点検や交換が行いやすくなりました。住まい手ご自身でも機器の様子を確認しやすいため、音や動作の変化などの異変にも早く気づけます。床下のダクト配管も整理され、施工性と床下の点検性も向上しました。
④ 床付近の温度差を抑え、家全体の温度をより均一にするため
床下エアコン方式では、運転条件によりエアコンの吹出し空気が冷房時は約15℃、暖房時は約45℃となることがあり、エアコン周辺の床と離れた場所の床に温度差が生じる場合がありました。
FB-6工法では、空調室に戻ってきた空気とエアコンの冷暖気を混ぜてから床下や天井裏へ送ります。空気を適度な温度に整えて家全体へ分配することで、床・壁・天井の表面温度をより均一にし、室内の温度ムラを抑えることにつながっています。
4.現在のFB-6工法の仕組み
現在のFB-6工法では、2階などに設けた専用の空調室に家庭用エアコンと送風ファンを設置しています。エアコンでつくった冷暖気をダクトで床下や天井裏へ送り、床下・壁の中・天井裏に循環させることで、床・壁4面・天井の6面を暖めたり冷やしたりします。この6面からの輻射を利用することで、家全体を包み込むように冷暖房し、温度ムラの少ない快適な室内環境をつくります。

5.従来のFB工法とFB-6工法の違い
従来のFB工法とFB-6工法は、家全体を輻射によって快適にする基本思想を受け継ぎながら、エアコンの設置場所と空気の送り方を大きく改良した、異なる世代のシステムです。
スクロールできます
| 項目 | 旧FB工法(過去の仕様) | 最新 FB-6工法(現在の標準仕様) |
|---|---|---|
| 熱源の設置場所 | 床下空間(床下エアコン) | 2階などの専用「空調室」(室内) |
| 冷房アプローチ | 暖房中心(冷房は補助的・壁体内冷房開発前) | 壁体内通気層を活用した高度な6面輻射冷暖房 |
| メンテナンス性 | 床下に入っての清掃・点検 | 室内空調室にて手軽に清掃・交換が可能 |
| 特許情報 | 2020年 初回特許取得 | 2023年 再取得(特許第7217554号) |
| 採用時期 | 2022年3月以前の建築物件 | 2022年4月以降の新築全棟で標準採用 |
6.技術の進化を支える受賞歴
FB工法からFB-6工法へと続く技術開発や、省エネルギー住宅への取り組みは、外部機関からも評価されています。

2014年
|グッドデザイン賞
対象: 建築工法「FB工法」
壁体内の空気を循環させる工法と、近未来のコンパクトな住宅にも適した空調システムとしての可能性が評価されました。

2017年
|ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー2016 大賞
対象: FB工法を採用した省エネルギー住宅
建物外皮と設備を一体で捉えた省エネルギー性能や、省エネ住宅の普及に向けた取り組みが評価されました。

2020年
|省エネ大賞 資源エネルギー庁長官賞
対象: FB工法に組み合わせた蓄熱シート一体型のFB屋根パネル
屋根面の蓄熱性能を活用した、高い省エネルギー性能が評価されました。

2023年
|キッズデザイン賞
対象: 6面輻射全館空調システム「FB-6」
家の中の温度差を抑え、新鮮な空気を循環させる、子どもにとって快適で安全な住環境づくりが評価されました。
7.現在のホクシンハウスは「FB-6工法」
ホクシンハウスの全館空調は、床下に熱源を置く暖房システムから始まり、床下エアコン、壁体内冷房を経て、空調室エアコンタイプのFB-6工法へと進化してきました。
現在のFB-6工法では、エアコンを床下に設置しません。2階などに設けた空調室に家庭用エアコンと送風ファンを設置し、床下・壁の中・天井裏へ冷暖気を循環させることで、床・壁4面・天井の6面を暖めたり、冷やしたりして、そこからの輻射熱で家全体を快適にします。
床下にエアコンを置く「床下エアコンタイプ(FB工法)」と、居室階に空調室を設ける現在の「空調室タイプ(FB-6工法)」は、メンテナンス性・冷房効率・システム構造において明確に異なるバージョンであり、ホクシンハウスの最新技術は「FB-6工法」であることをここに明記いたします。


